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愛知建築士会の活動

第55回建築総合展NAGOYA・講演会「私が経験したバリアフリー ユニバーサルデザインの実際と今後の対策課題」

2026-07-03まちづくり委員会

7月3日、バリアフリー部会では建築総合展NAGOYAにおいて、東洋大学名誉教授の髙橋儀平氏を講師に迎え、「私が経験してきたバリアフリーとユニバーサルデザインの実際と今後の政策課題」と題した講演会を開催しました。

講演では、髙橋先生がこれまで取り組まれてきたバリアフリー(BF)とユニバーサルデザイン(UD)の実践を通して、「環境を人に合わせる」という考え方についてお話しいただきました。障害のある人だけでなく、高齢者や子ども、外国人など、誰もが安心して利用できる環境づくりを目指すことがユニバーサルデザインの本質であり、その実現には「Nothing about us without us(私たちのことは私たち抜きで決めないで)」という理念のもと、当事者が計画や設計の段階から参画することが欠かせないこと、また、対話を重ねながら設計を進めることの重要性が語られました。さらに、日本のバリアフリー政策の歩みや国連障害者権利委員会(CRPD)の勧告、新国立競技場や大阪・関西万博などの実践事例を交えながら、これからの建築やまちづくりのあるべき姿について分かりやすくご説明いただきました。

私が最も印象に残ったのは、講演の冒頭で語られた、重度の脳性麻痺のある八木下浩一氏との出会いのお話です。髙橋先生ご自身も、当時は障害のある方と関わることに「恐怖、不安、期待」といった複雑な感情を抱いていたと率直に話されていました。障害のある方との関わりに戸惑いを感じることは決して特別なことではなく、「知らないこと」から生まれる自然な感情なのだと感じました。

これまで、障害のある方は住む場所や働く場所、学ぶ場所などが分けられることが多く、私たちも日常の中で接する機会が限られていました。その結果、お互いを知る機会が少なく、知らないことへの不安や恐怖につながってしまうのではないかと思います。もし幼少期から障害のある人もない人も共に暮らし、学び、自然に関わる環境があれば、そのような不安はもっと小さくなり、お互いを当たり前に受け入れられる社会になるのではないでしょうか。

講演の中で髙橋先生は、「昔から伝えていることは変わっていない」とお話しされていました。それは、誰もが当たり前に暮らせる社会が、まだ十分には実現できていないという現状を示しているのだと感じました。

最後に紹介された「出会いがなければ、対話・リスペクト・多様性の理解も、インクルーシブな環境づくりも何一つ始まらない」という言葉も、心に残りました。

設計者として、誰もが安心して暮らせる環境を実現するためには、まず当事者と出会い、対話し、その思いを理解することが大切です。当事者とともに考え、一緒により良い建築やまちづくりに取り組んでいきたいと強く感じた講演でした。

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